| ■自賠責保険 |
| 傷害の保険金の計算方法 |
|
治療費関連費の基準
|
|
医師による治療を受けたときは「診察料」「入院料」「投薬料」「手術料」「処置料」「歯科治療費」「護送費」「交通費(退院・転院・通院に要した費用)」「看護料」「入院諸雑費」「義肢・義足・松葉杖などの用具」「診断書の文書料」の支払いが認められます。
|
|
|
項目
|
内容
|
|
診察料
|
診察にかかる費用
初診料、再診料又は往診にかかる必要かつ妥当な実費が認められます。 |
|
入院料
(差額ベッド代)
|
「入院料(差額ベッド代)」については、各地方によって認定される1日の上限額が決まっています。
関東地方・中部地方・関西地方・福岡県
・・・1万4000円
東北地方・北陸地方・中国地方・四国地方・九州地方(福岡県除く)
・・・1万3000円
北海道・沖縄県 ・・・1万2000円 |
|
投薬料
|
投薬にかかる費用
売薬により被害者が自分で施療したものは、対象になりません。 |
|
手術料
|
手術にかかる費用
治療のために必要かつ妥当な実費が認められます。 |
|
処置料
|
処置にかかる費用
病院には全く行かず、ハリ・灸・あんま・マッサージ・指圧師などの医療類似行為で施療した場合は認められません。
※これらは、医師の治療を受けた後に診断書にその必要性を書いてもらった後でないと認められません。
※カイロプラティック・整体術は認められていません。 |
|
歯科治療費
|
歯の治療に必要な費用
歯冠、継続歯、加工義歯(ブリッジ)、義歯(仮義歯・総義歯は除く)は7万円までが認められます。
仮義歯は2万5000円まで、総義歯は1顎につき15万円(上下で30万円)までが認められます。
※インプラント義歯(特殊な人工歯根による義歯)は対象となりません。
※歯科矯正は医師の証明が診断書に書かれていないと認められません。 |
|
護送費
|
事故現場から病院まで被害者を運ぶための費用
タクシーを使った場合の運賃や座席カバーの汚れを除くための費用が対象になります。 |
|
交通費
|
転院・退院・通院に必要な費用
原則として公共交通機関の運賃が認められます。
傷害の状態が重い、過疎などの理由で公共交通機関を利用することが困難な場合はタクシー使用が認められます。
公共交通機関を利用する場合は領収書は必要ありませんが、タクシー利用には領収書が必要です。 |
|
看護費
|
治療時に患者に付き添った付添人の費用
医師の指示で付添人(看護師・家政婦)が付いた場合は費用が認められます。
※怪我の状態から判断して必要と認められる場合は、柔道整復師、あんま師、はり師、きゅう師、マッサージ師などの施術費も認められます。
※医師が必要と認めその指導により行なった温泉治療費も認められます。
※カイロプラクティック、整体術の費用は認められません。(法律で医療行為と認めていないため)
※その他、「社会通念上必要かつ妥当な実費」を請求できるものもあります。
領収書は必ずとっておきましょう。 |
|
付添費
|
医師の指示により親族が付添いをした場合に認められる費用
原則として近親者の付添い費として、
1日あたり 4100円が認められます。
付添人の休業損害が4100円を超える場合はその人の収入を証明する書類があれば、
1日あたり 最高19000円まで認められます。
(診断書の「付添い看護を要した期間」に証明をもらいましょう)
被害者が12才以下の子供の場合は、医師の指示がなくても「付添い看護」が認められています。
付添い看護料を請求するには「付添い看護自認書」を提出します。
付添い看護に必要な「寝具代」や「交通費」も必要かつ妥当な実費が認められます。 |
|
入院諸雑費
|
療養のために直接必要な諸物品を購入する費用
入院1日あたり1100円が領収書なしで認定される。
具体的には、氷・吸呑みなどの購入費、寝具などの使用料・運搬費、医師の指示により購入した牛乳・卵などの栄養物、電話・電報などの通信費、テレビ・ラジオなどの賃貸料、新聞購読料、家族との連絡・交通費、電気・ガスなどの光熱費、シーツ・衣類などの洗濯費、医師・看護師への謝礼などが含まれます。
定額を超える場合は、「社会通念上、必要かつ妥当」な範囲内で認められますので、入院中に出費したものに関しては、明細がキチンと分かる形で領収書をもらい保管しておくことが大切です。 |
|
義肢等の費用
|
事故によって義肢等が必要になり医師の指示で購入した費用
原則として義肢・義眼・義歯・眼鏡・補聴器・松葉杖などを購入した場合の実費。
眼鏡・補聴器については5万円が上限になっています。 |
|
文書料
|
自賠責請求のために必要な診断書や印鑑証明などを取得するための費用
診断書料は提出分以外に1通(警察提出用)まで認められます。ただし、加害者の場合の印鑑証明料は、被害者の損害ではないために認められません。
|
|
| |
|
休業損害の計算方法
|
|
交通事故によって怪我をし仕事を休んでしまったために収入が減少してしまったことを「休業損害」といいます。
休業損害は現実に減少した収入が認められるわけですから、休業しても現実に給料が減額されていない場合は認められません。
ただし、休業期間中に年次有給休暇を使用した場合はその日数は休業損害の対象となります。
また、会社役員の場合は、役員報酬に賃金カットがないため、休業損害は発生しません。
使用人兼役員の場合は使用人部分については休業損害が認められますが、休業した場合は賃金カットが行なわれるという規定が必要になります。
|
|
|
休業日数の計算方法
給与所得者は、「休業損害証明書」に記載されている日数が認定されますが、休業日数に比べて治療日数が極端に少ない場合は、病院や勤務先に照合して、損害保険料率算出機構・自賠責損害調査センターが独自の判断で妥当な休業期間を認定します。
自営業者や主婦の場合は、実際に治療を受けた日数(実治療日数)がそのまま日数となります。
怪我の内容によっては、治療期間の範囲内で、実治療日数の2倍を限度に休業日数が認定されます。
また、骨折などでキプブス固定している間は、実治療日数とみなします。
事故が休日や夜間でもその日の内に治療を受けていれば、その日も休業日数に含まれます。
ただし、給与所得者の場合は、「休業損害証明書」に記載されている初日が休業初日となります。
|
|
|
サラリーマンの休業損害の計算方法 サラリーマンの休業損害の計算は、会社が作成した「休業損害証明書」を基準に給与日額と欠勤期間から計算します。
損害分の計算には給与以外のボーナスも含まれますが、ボーナスの減額分は「賞与減額証明書」によって証明します。
「休業損害証明書」には前年度の源泉徴収票をつけなければなりませんが、源泉徴収していない場合は過去1年間の給与台帳、出勤簿(タイムカード)をコピーして会社印を押して源泉徴収票の代用とします。
1日あたりの賃金を出すには、事故前の3ヶ月間の基本給+付加給(社会保険などを控除される前の総支給額)を90で割ります。
また、入社直後に事故をした場合などは勤務実績が3ヶ月に満たない場合がありますが、このような場合は、事故前1ヶ月または2ヶ月の平均で日額を認定します。
1ヶ月未満の場合は入社時の雇用契約書に書かれた金額を基準に認定されます。欠勤中に年次有給休暇を使用した場合は、使用日数分の賃金が認定されます。 |
|
|
自営業・主婦・アルバイトの休業損害の計算方法 「事業所得者」の場合
職業証明書を提出することによって1日あたりの限度額の5700円が認定されます。
職業証明書は、同業者組合の組合長や協会の理事長などに証明をお願いし、請求する人の住所、氏 名、職業、屋号を記入してもらいます。
また、同業者団体がない場合は、電話帳(タウンページ)で自分の電話番号の部分(屋号が記載されている所)をコピーしたり店舗を写真で代用することもできます。
定額の5700円をこえる所得がある場合は、前年度の所得証明書で請求します。
計算式は、日額=(年間の収入−必要経費)÷365となります。
専業主婦(主夫)の場合
「家事従事者」として休業損害が認められます。
この場合、家事の対象となる家族がいるかどうかを住民票で確認します。
本人以外に家族がいれば人数は問われません。家族の中に家事に従事できる人間が2人以上いる場合は、被害者のみが家事に従事しているというという内容の説明が必要です。
専業主婦(主夫)の場合、一日あたりの休業額は定額の5700円が認定されます。
パート・アルバイト・日雇い労働者の場合
1ヶ月の勤務が20日以上であり、かつ1日の就労時間が6時間以上で収入の日額が5700円を下回る場合は、定額の5700円に引き上げられます。
1ヶ月の就労時間が短い場合は、引き上げを行なわず、実収入をもとに日額を決めます。
この場合は、事故前の3ヶ月の実収入を90で割り、日額を出します。
|
|
| |
|
慰謝料の計算方法
|
|
「慰謝料」とは、事故によって被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われる賠償金のこと。
自賠責保険では1日あたり4100円が認められています。
慰謝料の対象となる日数は、「治療期間」と「実治療日数」によって決まります。
「治療日数」とは
治療開始日から治療終了日までのことをいい、事故発生日から7日以内に治療を開始したときは、事故発生日を治療開始日とみなします。
事故発生日から8日目以降に治療を開始した場合は、実際に治療を開始した7日前から治療を開始したものとみなします。
途中で病院を変えたりするなどして治療を中断したりした場合は、その日数が14日以内であればすべてを治療期間に含み、15日以上の場合は7日間を治療期間に含めます。
医師が治ったと判断すれば「治癒」、患者側から治療を打ち切る場合は「中止」となり治療の最終日が治療終了日となります。
なお、「中止」の場合は、実治療日数に7日を加算します。
慰謝料支払いの対象日
「実治療日数」を2倍した数と、「治療期間」の日数を比べてどちらか少ない数になります。
ただし、あんま・マッサージ・針・きゅう・指圧については「実治療日数」を2倍しません。
また、カイロプラクティック、整体術については慰謝料は認められません。
ギブス装着はギブスの種類によって「実治療日数」にカウントされます。
|
|
| |
|
【
計算事例 】 サラリーマンAさんの場合
|
サラリーマンのAさんは仕事中に交通事故に遭い、救急車で運ばれました。
60日間入院し、退院後30回通院しましたが、仕事が忙しいため治療を中断しました。(治療期間125日)
なお、会社は80日間休みました。
積極損害
治療費 0円 (労働中の災害のため労災保険を使用)
看護料 0円 (付添人の必要はなかった)
入院諸雑費 66000円 (1100円×60日)
通院交通費 9000円
(自家用車使用、燃料費15円×10km×2×30回)
消極損害
休業損害 666400円
(事故前3ヶ月の合計÷90日=8330円×80日)
慰謝料 541200円 (4100円×132日)
※治療日数(90日)の2倍=180日と治療期間(132日、治療を中止したので7日を加算)を比べ少ない日数が対象。
受取合計金額=1,282,600円になりますが、限度額120万円を超えていますので自賠責保険から受け取れるのは、120万円のみとなります。
|
|
| |
|
【
計算事例 】
主婦のBさんの場合
|
主婦のBさんは、歩いて買い物に行く途中、自動車に跳ねられて救急車で病院へ運ばれ、 10日間入院 し、 退院後20回(治療期間50日) 通院して医師から治癒の診断を受けました。
積極損害 治療費 100000円 (健康保険の自己負担分)
看護費 0円 (付添人の必要はなかった)
入院諸雑費 11000円 (1100円 ×10日)
通院交通費 10000円 (バス代金往復500円×20回)
消極損害
休業損害 171000円
( 5700円 × 30日 [ 入院 10 日+通院20日 ] )
慰謝料 205000円 (4100円 × 50日)
治療日数(30日)の2倍=60日と治療期間50を比べ少ない日数が対象
受取金額合計=497000円
|
|