交通事故専門の行政書士 佐藤事務所(神戸市)

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業務日誌 2007年6月28日

自動車保険の選び方

  被害者になった時こそ??

自動車保険は何のために加入するのでしょうか?

「万が一、交通事故で加害者になってしまったとき、賠償金を支払えるようにするため」という答えは、正解ではありません。

実は、「被害者」になったときこそ本当に役に立つのが、自動車保険なのです。

極端な事を言えば、対人賠償や対物賠償なんて、無制限に加入していれば何処の会社も同じです。
加害者になったときはすべて保険会社が対応するので、保険契約者には関係ありません。

被害者の立場に立っての交通事故の保険金請求実務を通じて思う 「自動車保険」を以下にまとめてみました。

被害者のために役立つ保険、
「搭乗者傷害保険と人身傷害保険」について

自動車保険に加入するときに真剣に考えるべきところは、被害者になったときに役に立つ自動車保険の「特約」です。
特に「搭乗者傷害保険」、「人身傷害保険」というものが重要です。

知識の無い代理店の場合は、「搭乗者傷害の特約に加入しているから人身傷害の特約をつける意味が無い」と説明されることもあるそうですが、そんな事はありません。

2つの特約に加入していれば、どちらも請求できます。

搭乗者傷害保険は、「診断名や治療日数、後遺障害の等級に応じて保険金が支払われる」というもので、生命保険に近いような内容になっています。

人身傷害保険は、「被害者の過失に関係なく、約款の計算基準に従い治療費や休業損害、慰謝料が支払われる」というもので、自賠責保険の限度額無制限のような内容です。

搭乗者傷害保険は、文字どおり、契約した自動車に搭乗している場合で無いと支払われませんが、人身傷害保険の場合は、「変な特約」をつけない限り、交通事故証明書が取れる事故であれば歩行中でも支払われ、さらに契約者の家族も補償されるような内容です。

変な特約とは、「契約車に搭乗中のみ補償」というものです。
こんな特約をつけてしまえば、万が一の時に泣きを見ます。

この特約がなければ、同居の親族はもちろん、例えば別居の未婚の息子が、自転車で一方的に悪い内容の事故でケガをした場合などでも約款の計算基準に基づき過失に関係なく保険金が支払われます。

人身傷害保険と似た内容の保険として、「無保険車傷害保険」というものも有ります。

これは、交通事故の被害者になったとき、加害者に賠償能力ない場合やひき逃げなどの場合に法律上の損害賠償額が支払われる保険です。

この保険は条件として「死亡」もしくは「後遺障害が残る」場合しか使用できませんので、ケガの場合は事故直後に後遺障害が残るかどうかは分からないので、損保会社も動いてくれません。

また、「法律上の損害賠償額」という内容ですので、自分の保険会社と示談交渉することになり、被害者に過失が有る場合は減額されてしまいます。

なお、この保険は自動車総合保険には自動的に付いていますので、特別に加入する必要はありません。
バイクでケガをして泣きを見る保険
「ファミリーバイク特約」について

自動車保険の特約の中で最悪なのが「ファミリーバイク特約」です。

これは、自動車保険の特約として、家にあるバイクで事故を起こした場合も対人・対物賠償保険金が支払われる内容です。

この特約は「対人賠償」と「対物賠償」しか使用できませんので、自動車保険に搭乗者傷害保険や人身傷害保険に加入していたとしても、意味がありません。

バイクの場合は、加害者になるよりも被害者になる場合が多く、ケガをした時も重傷になることが多いですので、相手の補償よりも自分の体の心配をしましょう。

バイクを乗られる方は、「保険料が安いから」と安易にファミリーバイク特約に頼るのではなく、万が一、自分自身がケガをしたときの事を考え、単独のバイク保険等を掛けるべきと思います。

子供が加害者になったとき心配な「年齢制限」について

自動車保険には「21才未満不担保」や「30才未満不担保」という内容の特約もあります。

本当に今の年齢制限で大丈夫でしょうか?

運転免許をお持ちの同居のお子様、若しくは別居の未婚のお子様がいらっしゃる場合は、お子様の年齢に合わせてください。
「子供は親の車に乗らないから要らない」というのはダメです。
なぜかと言いますと「他車運転危険担保特約」が使えなくなるからです。

この特約も無保険車傷害保険と同様、自動車総合保険に自動的に付加されている特約ですので、特別に加入する必要はありません。

この特約の内容をものすごく、簡単に言うと、「他人の車で事故を起こして加害者になったときでも、自分の保険が使えますよ」 というものです。

もし、息子さんが彼女の車を運転していて、事故を起こし、助手席の彼女にケガをさせてしまった場合、加害者は息子さんです。

彼女が契約している自動車保険の「対人賠償保険」は契約者本人がケガしたときは使えません。※自賠責もダメです。

仮に彼女が人身傷害保険に加入していたとしても、保険会社が彼女に支払った保険金は後で保険会社から加害者の息子さんに請求がきます。

こんなとき、もし息子さんが自分の車を持っていて自動車保険に加入していれば、自分の車の「他車運転危険担保特約」を使用できますが、自分の車を持っていなければ最後の手段は「親の保険」です。

自動車保険は、通常同居の親族や別居の未婚の子も補償されるような内容ですので、当然親の「他車運転危険担保特約」を使用できますが、ここで影響があるのが「年齢制限」です。

30才未満不担保なんかに加入していて、息子さんが20才の場合は「他車運転危険担保特約」も使用できません。

車を持っていなくても、運転免許があれば親に内緒で友達や彼氏、彼女の車を運転するということを想定して、自動車保険を考えるべきと思います。

このように、自動車に関するあらゆるケースに対応できるのが自動車総合保険です。

ここでは、一般的な内容の保険について書きましたが、保険会社によって、特約の名称や内容が若干異なります。

正しい知識のある良い代理店を見つけ、保険契約締結の際には、内容をよく理解した上で加入してください。
自動車保険は、自分と家族のためです
 
業務日誌
■自動車保険の選び方
 (2007/06/30)
■損保会社の不払いについて
 (2007/06/13)
■損保会社の担当者の考え方
 (2007/03/13)
■突然の治療費の支払い打ち切りと弁護士からの調停申立
 (2007/01/07)
 
     
 
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