交通事故専門の行政書士 佐藤事務所(神戸市)

行政書士 佐藤事務所
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業務日誌 2007年1月7日

 突然の治療費の支払い打ち切りと弁護士からの調停申立

  ある日、突然の治療費の支払い打ち切り !?

多い相談のひとつに『保険屋が弁護士を立てて調停を申し立ててきたが、どうしたら良いか?』というものがあります。
  経緯を伺ってみると、次のような感じです。

(1)頚椎捻挫や腰部打撲などで、事故後何ヶ月間か通院していたところ、突然、保険屋の担当者から「○月○日で治療費の支払いを打ち切ります。損害賠償は、交通費○円と慰謝料○円です。連絡下さい」との一方的な通知があった。

(2)「痛みやシビレが続いているので納得ができない」保険屋の担当者に反論した。

(3)弁護士から「○月○日で治療費の支払いを打ち切ります。損害賠償は、交通費○円と慰謝料○円です。連絡下さい」との手紙があった。

(4)驚いて弁護士に電話で文句を言った。

(5)弁護士が、調停を申し立ててきた。

(6)調停へ行ったが、怪我がまだ完治もしていないにもかかわらず、金額があまりにも安く、弁護士も「これ以上は払えない」と言ってきたので納得できない。

(7)当事務所に相談

という流れです。
後遺障害が残る可能性も・・
行政書士としては、当事者間の紛争に関与できませんので、こういった場合の相談は、自賠責保険に関する書類作成の相談になります。

  こういった事例で最初に考える事は『後遺障害が残る可能性』です。

相談者は、自賠責保険の後遺障害等級の事なんて知りませんから、『むち打ちや腰痛で後遺障害の認定なんて下りるはずがない』と、思っているかたが多いです。
  しかし、自賠責保険の後遺障害等級14級の9号には「局部に神経症状を残すもの」という基準があり、医学的に説明可能な神経症状がある場合には、むち打ちや腰痛でも該当する場合があります。
打ち切りの本当の真意は・・・?
さて、何故、保険屋の担当者や弁護士は突然、治療費を打ち切ってきたり、調停を申し立ててきたりしたのでしょう?

自賠責保険の実務上、神経症状の後遺障害は6ヶ月以上通院しても完治しない場合に、後遺障害等級認定申請をします。
もし、被害者が「保険屋に治療費を打ち切られた事」や「弁護士から調停を申し立てられ事」を理由に、6ヶ月以内に治療をやめ、保険屋基準の安い傷害慰謝料のみで泣き寝入りしてくれれば保険屋は儲けもんです。

保険屋のねらいはズバリここにあります。
保険屋の顧問弁護士の思惑は、「相手は後遺障害の実務なんて知らないシロウトだし、裁判所に呼び出してやれば、びびって泣き寝入りするだろう」といったところでしょう。
示談書にハンコを押さず、納得の行くまで通院治療
こういった相談者がこられた場合には、後遺障害等級の結論が出るまでは、示談書にハンコを押さないように説明します。

もし、最終的に後遺障害等級に該当しなかったとしても、それはそれで仕方がありません。
大事な事は、症状固定または完全に治るまで治療を続ける事なのです。

途中で治療を止めれば、後遺障害だけではなく、治療費、休業損害、傷害慰謝料等も短い通院期間をもとに計算され、安くなってしまいます。
とにかく健康保険などを使用してでも、 納得の行くまで通院治療して、それでも痛みやシビレが残った場合には『後遺障害等級認定申請』をします。
  そして、もし後遺障害の等級が認定されたらその等級を基に『 弁護士会基準で後遺障害慰謝料と逸失利益を上乗せ した賠償金額を試算』して、再度、調停や示談交渉に挑めばよいのです。
泣き寝入りするだろうと思っていたのに・・・
保険屋の顧問弁護士が申し立てて調停になっている場合で、後遺障害の認定が下りた場合には面白いことになります。

  もし、弁護士から届いた手紙等がありましたら一度確認してみてください。
調停の代理をしている弁護士は「加害者○○の代理人」であり、「保険屋の代理人」ではありません。(実態は、どうせ保険屋の顧問弁護士でしょうが。)
  つまり、保険屋の代理人ではない弁護士が、裁判所で行う調停で安い保険屋の基準で交渉する理由はどこにもありません。

  そこで、後遺障害等級の認定結果と弁護士会基準での計算書を握り締めて調停に行き、
「保険屋と関係ない弁護士が裁判所での交渉を希望するのなら、この弁護士会基準で計算した金を払ってください!」
と、言ってやってください。

「相手は後遺障害実務のことを知らないシロウトだし、裁判所に呼び出してやれば、安い保険屋の基準で、しかも傷害部分のみで泣き寝入りするだろう」と思っていたところが、正式な後遺障害認定を経た後に、弁護士なら使用するのが当たり前、かつ、法律上も妥当な相場の「弁護士会基準」で計算した損害賠償金を、「弁護士のホームグランドである裁判所で弁護士がシロウトから請求される」という、みっともない事になるのです。

  しかも、たとえ調停が不調に終っても、心に怒り炎がついた被害者の気持ちは、もう収まらず、弁護士会基準でないと被害者を納得させることはできなくなっています。

こうなってしまえば、被害者は交通事故紛争処理センターか裁判での解決を望む可能性が高く、これらの機関での解決となれば、最も高額な基準である「地方裁判所の基準」になります。
自分らがまいた種ですので自業自得ですが、かわいそうな保険屋とかっこ悪い顧問弁護士さんですね。
行政書士にできること
さて、行政書士の交通事故業務は、権利義務または事実証明に関する書類の作成となっております。
相談に応じる場合でも書類作成についての相談に限定されます。
当然ながら訴訟、調停申立の代理人となるは出来ませんし、当事者間に争いのある事件に代理人として関与し、相手方と交渉等を行うことも許されておりません。

  しかし、この事例のように 行政書士は当事者である保険屋や弁護士を全く相手にすることなく、計算案の作成と後遺障害等級認定申請等の書類作成のみで交通事故被害者を支援する事もできるのです。
  また、行政書士の業務は紛争性のない書類作成や申請手続きのみですので、相手方の都合等に左右されることがなく、 安く多くの相談に応じる事ができます。
泣き寝入りしないための第一歩
本件のような事案で行政書士ができる業務

(1)後遺障害等級の認定申請書の作成、提出手続
(2)損害賠償額計算案の作成
(3)上記の書類作成についての相談

交通事故保険のしくみと業務についての正確な知識と経験をもち、さらに、安く、気軽に相談できる交通事故専門の行政書士を見つけることが、交通事故被害者が泣き寝入りしないための第一歩かもしれません!
 
業務日誌
■自動車保険の選び方
 (2007/06/30)
■損保会社の不払いについて
 (2007/06/13)
■損保会社の担当者の考え方
 (2007/03/13)
■突然の治療費の支払い打ち切りと弁護士からの調停申立
 (2007/01/07)
 
     
 
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