交通事故専門の行政書士 佐藤事務所(神戸市)

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後遺障害の保険金の計算方法

後遺障害とは、治療を続けても、医学的にはこれ以上回復の見込みがないと判断され、身体に永久的な精神的・肉体的毀損状態を残すことをいいます。
 
自賠責保険では、後遺障害が残った人を救うために
「傷害保険金(限度額120万円)」とは別に、 後遺障害の等級(全14等級)に応じて、「後遺障害保険金」を支払うことになっています。
 
後遺障害は、医師に 「症状固定」 と診断されれば、請求できます。
 
※ 「症状固定」とは、「これ以上は良くならない」ということです。
手や足の切断などの欠損障害の場合は、その時点で「症状固定」とみなしますが、機能障害や醜状痕の場合は、主治医の判断となります。
障害の程度によって差はありますが、6ヶ月経過くらいが症状固定の時期としては多い ようです。

後遺障害の等級は、
最も重い 1級(支払い限度額3000万円)〜最も軽い14級(支払い限度額120万円) に分かれています。
 
判断の方法は、医師が書いた診断書をもとに、損害保険料率算出機構・自賠責損害調査センターの調査事務所で認定されます。
そしてその結果をもとに、自賠責保険会社が最終的に判断を下し、等級に応じた保険金を支払います。
醜状痕などの場合は、損害保険料率算出機構・自賠責損害調査センターの調査員と面談を行なうこともありますが、ほとんどの場合は、医師の後遺障害診断書とレントゲン画像などの書類審査のみですので、医師には自覚症状などを詳細に告げ具体的に記入してもらいましょう。

逸失利益

逸失利益とは、後遺症障害を負ったことにより、事故前のように労働ができなくなったために、収入が減少する失われた利益のことをいいます。逸失利益は次の計算式で算出します。

逸失利益=
収入額 × 労働能力喪失率 × 後遺障害確定時の年齢に対するライプニッツ係数

※ ライプニッツ係数とは、将来の収入を一時金で受け取るため発生するであろう年5%の利息を控除する係数です。

収入の基準には3種類があり、被害者の職業や年齢により用いる基準が異なります。

(1)死亡前の1年間の収入
(2)年齢別平均給与額
(3)全年齢平均給与額

「有職者」の場合

有職者(1年未満の中途退職者を含む)で収入を証明できる人は、 「事故前1年間の収入」と死亡時の「年齢別平均給与額」を比べどちらか、多いほうの額 で計算します。
ただし、 35才未満の場合は、「事故前1年間の収入」と死亡時の「年齢別平均給与額」「全年齢平均給与額」を比べどもっとも高い額 で計算します。
有職者でも収入の証明ができない35才未満の人は、「年齢別平均給与額」と「全年齢平均給与額」を比べどちらか高い方、35才以上の人は、「年齢別平均給与額」で計算します。

「幼児・児童・生徒・学生・家事従事者」の場合

「幼児・児童・生徒・学生・家事従事者」の場合は、「全年齢平均給与額」で計算します。
ただし58才以上の人の場合は「年齢別平均給与額」と「全年齢平均給与額」を比べどちらか高い方で計算します。

「上記以外の働く意志と能力がある人」の場合

「上記以外の働く意志と能力がある人」の場合は、「年齢別平均給与額」で計算されますが、「全年齢別平均給与額」が上限となります。

 

慰謝料

後遺障害の損害は、逸失利益と慰謝料の合計で、 後遺障害の等級別により「支払い限度額」が決められています。
後遺障害の「慰謝料」は、等級に応じて、「定額」 になっています。
もし、等級の支払い限度額に達しなかった場合は、逸失利益と慰謝料の合算した額のみが支払われます。

 

後遺障害等級別
慰謝料

後遺障害等級別
支払い限度額
(介護が必要ない場合)

第1級

1100万円

3000万円

第2級

958

2590

第3級

829

2219

第4級

712

1889

第5級

599

1574

第6級

498

1296

第7級

409

1051

第8級

324

819

第9級

245

616

第10級

187

461

第11級

135

331

第12級

93

224

第13級

57

139

第14級

32

75

(注)被扶養者がいる場合
第1級 1300万円
第2級 1128万円
第3級  973万円

 

 
【 計算事例 】  サラリーマンAさんの場合
サラリーマンのAさんは、
交通事故で、片腕を腕関節以上で失う 後遺障害(第5級) を負いました。
Aさん= 60才  
平均月収  50万円   
症状固定まで 入通院に要した費用300万円
(1)逸失利益

Aさんの事故前1年間の収入は年齢別平均給与額より高いため、事故前1年間の収入を使い、後遺障害等級第5級 (労働能力喪失率79%) をもとに算定

50万円×12ヶ月×0.79(労働能力喪失率)×8.306 (60才のライプニッツ係数)= 3937万円

逸失利益は3937万円となります。

(2)慰謝料

慰謝料は後遺障害等級第5級= 599万円 (等級により定額化)

慰謝料は599万円となります。

後遺障害による損害は
逸失利益3937万円
慰謝料599万円 4536万円 となりますが、自賠責保険の 後遺障害等級第5級の支払い限度額は1574万円 ですので、1574万円が限度となります。

ただし、症状固定にいたるまでの損害(治療費・慰謝料等) 120万円(傷害支払い限度額) は傷害保険金として受け取れますので、この場合は1694万円受け取れることになります。

この事故に対して自賠責保険からでる額=1694万円となります。
事故で神経系統や精神にダメージを受けた被害者は、別表により支払い限度額が4000万円にアップする場合があります。

 
 
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