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| ■示談交渉 |
| 健康保険を使うべきか? |
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損保会社から「健康保険を使ってください」と言われることは、少なくありません。
「何で被害者やのに自分の健康保険を使わなアカンねん!」と思われるかもしれませんが、冷静に健康保険を使うメリットとデメリットを考えて見ましょう。
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健康保険を使うメリット |
健康保険を使う1番のメリットは、
「自由診療に比べると治療費が安くなる」ということです。
同じ治療をしても自由診療では病院が自由に単価を決めることが出来ますが、健康保険は、健康保険制度の中で単価が決められています。
実情は、自由診療の単価は健康保険の単価の倍程度と思います。
さらに健康保険は患者の窓口での負担は3割で済みますから、実際に患者が窓口で支払う金額は自由診療とは比べものになりません。
例えば、MRIが自由診療では窓口負担が50,000円くらいなのに健康保険での窓口負担は6,000円くらいだったりします。
なお、損保会社の要請に応じて健康保険を使用したとしても窓口で負担する金額は病院側が拒否しない限り、損保会社が病院へ月末締めで直接支払ってくれますので、被害者が通院するごとに病院へ支払う手間もありません。
特に過失がある場合は、治療費も過失で減額される対象になってしまいますので、過失がある場合は治療費を安く抑えるほうが良いです。
例えば自由診療で治療費が100万円かかった場合で、被害者にも過失が40%ある場合、慰謝料などの賠償金から40万円も引かれてしまうことになります。
これに対し、健康保険を使用した場合は、まず単価が半額程度になるので治療費自体も半額の50万円になります。
この場合の健康保険の3割の自己負担金は15万円ですが、この自己負担金のうち、被害者の過失部分の40%は6万円ですので、同じ治療をした場合でも賠償金から引かれる金額は、自由診療40万円のところが健康保険は6万円で済むことになります。
なお、この場合、健康保険が病院へ支払った7割の部分35万円のうち、加害者の過失部分60%の21万円は損保会社に請求が行き、残り40%の14万円は健康保険の保険者である政府や健康保険組合等が負担することになります。
このように、被害者にも過失があり、治療費が高額になりそうな場合は、特に健康保険を使うほうがメリットは大きくなります。
治療費が安くなることによって、損保会社からの強引な治療費支払いの打ち切りも少なくなる可能性があります。
損保会社も健康保険を使うことにより得をしますが、被害者も得をするということを理解しておきましょう。 |
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健康保険を使うデメリット |
損保会社と被害者が得をするのに対して、損をする人たちがいます。
それは、政府や健康保険組合など健康保険の保険者と病院です。
損する立場の人たちと揉める可能性があるのが、健康保険を使うデメリットです。
健康保険の保険者と揉める場合
先ほども例にあげたとおり、健康保険を使用した場合、被害者の過失部分の一部は政府や健康保険組合が負担しなければなりません。
政府管掌保険の場合、社会保険事務所が文句を言ってくるようなことはありませんが、健康保険組合の場合は財政難もあり、「交通事故だからなるべく自由診療で加害者に支払ってもらってください」などと言ってくることがあるようです。
被害者が保険料を払って加入している保険ですし、交通事故でも健康保険は使えますので、加入者が健康保険を使いたいといった場合には、
制度上、健康保険組合などに断る権限はありません。
しかし、健康保険組合に加入されている人の多くは大企業のサラリーマンと思いますので、健康保険組合と揉め会社内での立場を悪くしてまで健康保険を使用すべきかを慎重に検討してください。
治療費が高額になる可能性、過失の程度など総合的に判断して、本当に必要な場合にだけ健康保険組合に相談するという考え方もあります。
病院と揉める場合
健康保険を使用された場合、同じ治療をしても自由診療の半額に成ってしまう訳ですから一番の被害者は病院です。
病院にとって、交通事故の患者さんは儲かる患者さんです。
特に個人の開業医の場合、医師でありながら経営者でもあります。
収入が下がって、モチベーションが下がるのは自然ではないでしょうか。
被害者に過失が全くない場合、治療費が高額になったからといって、賠償金が減ることはありません。
被害者に自由診療で治療を行うデメリットがあるとすれば、損保会社の対応として治療費が高額になるのを恐れて、一方的に治療費の支払いを打ち切ってくる時期が早くなることがあるくらいです。
損保会社から治療費の支払いを打ち切られてから健康保険を使用することもできますので、被害者に過失がない場合は、打ち切りになるまで黙って自由診療で通うほうが医師は喜ぶと思います。
しかし、そうは言っても過失がある場合は、健康保険を使用しないと被害者の負担も大きくなってしまいます。
こういった場合は、被害者にも過失があることを病院に理解してもらい、揉めず健康保険を利用できるように努力すべきと思います。
なお、被害者に過失がない場合は、病院が喜ぶか、損保会社が喜ぶかの選択肢です。 |
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